2024年04月28日
トリーター:遠山

えのすい初! ゴマフアザラシの赤ちゃん誕生!!

タイトルにもありますように 2024年 4月 19日に、えのすいでは初となるゴマフアザラシの赤ちゃんが誕生しました。

アザラシの赤ちゃん誕生まで、私たちは本当にいろいろな取り組みを実施してきました。
2021年 9月 4日2022年 6月 6日のトリーター日誌に詳しく書いていますので、ぜひご覧になってください。
振り返ると 2023年 4月 15日に「オガ」と「ココ」の交尾を確認することができました。

ただ交尾をしたところで妊娠しているかはまだわかりません。超音波検査での妊娠判断を獣医にお願いし、「ココ」の状態を常に確認しておりました。そしてついに 2023年 8月 5日に 3mmの小さい赤ちゃんを発見することができました。これで妊娠確定です! 夢が膨らみましたが、それと同時にいろいろな課題を解決していかなければなりません。
産まれた赤ちゃんが登りやすいようにスロープの設置、 24時間体制で見られるカメラの設置、母親「ココ」の給餌量の設定、同居している「オガ」をバックヤードへ移動など。

赤ちゃんがプールに入った際に登りやすいスロープを設置赤ちゃんがプールに入った際に登りやすいスロープを設置

また母親が育児放棄した場合は人工保育をしますが、当館にはアザラシの人工保育経験者がいなかったために、秋田県にある男鹿水族館へ情報取集に行き、私たちの課題を一つ一つ解決していきました。

出産は 2024年 4月中旬あたりだと予想はしていたのですが、 4月に入ると、いつ産まれるのだろう!? と私たちえのすいトリーターも休みの日でも落ち着かない日々が続きました。出産兆候としては、ご飯を食べなくなったり、出産場所を探すかのように陸場に上がる回数が増えることなどがあります。

そしてついに 4月 19日の朝から「ココ」の異変を感じ始めます。通常、「ココ」は朝の 6時ぐらいにはプールに入水して泳ぎ始めますが、その日は朝の 7時 30分になってもプールに入水せず、陸場に寝ています。また 12時を過ぎると、しきりに陸場に上がったり、プールに入水したりと明らかにいつもの行動と違う状況になってきました。この行動から出産がそろそろ近づいてきていると思い、急遽アザラシプール前を仕切り、お客さまの観覧制限を設け、 24時間の監視体制をとりました。

そしてアザラシプールを 17時すぎに消灯したとたん、「ココ」が陸場に上がってきました。いつもは 20~ 21時ぐらいに陸場に上がるので、やはりいつもと違います。そしてスタッフが監視しているなか、 18時 05分に無事に出産を確認しました。

「ココ」は初産ではありましたが、出産も問題なく子どもも無事でした。ただ授乳はちゃんとできるか? という不安もありましたが、授乳もちゃんと確認することができ。 7.5㎏だった体重も今では 14㎏までに成長しています。
母親の「ココ」は誰からも教わったこともないのに、子どもにミルクを与え、子どもが成長するとともに泳ぎの練習に付き添います。そのような姿を見ると勉強になることばかりです。

最近では「ココ」も育児にも慣れてきているため、私が近くで授乳を見ても一切、気にしなくなりました。

これからも赤ちゃんの成長をみなさんと一緒に見ていきたいです。

寝ている姿、おとなと同じように芋虫みたいに歩く姿、母親と一緒にプールに入って泳ぐ姿
どれもが全てかわいくて仕方ありません。
ぜひみなさんもえのすいに来ていただき、このかわいい姿を見てください。

ペンギン・アザラシ

RSS